勉強会のなかでいくつか目利きのポイントをご紹介しましたので記事にもまとめたいと思います。
今回は「本場大島紬の見分け方(1)」と題し
反物の織りはじめに付けられている「証紙」による区分と見分け方をまとめます。
■証紙の中には何が書かれているの?
証紙を一見しただけでは、なかなか違いが見分けづらいものです。
まず証紙において見比べるべきポイントは以下の2点。
(1)「産地証明」を見る!
本場大島紬と認定された織物には、かならず「旗印」「地球印」「鶴印」のいずれか1つが貼られています。
これは各産地の協同組合が独自に発行している産地証明であり、本場大島紬の証紙には欠かせません。
(2)「伝統マーク」を見る!
本場大島紬の産地証明がついていても、経済産業省認可の「伝統マーク」が付いているものと、無いものがあります。
これは【手織り】か【機械織り】かの差。
一般的に【手織り】の作品の方が緻密で高付加価値であることが多いです。
※機械織りの作品は、無地や縞、染め下地用がほとんど。
■「産地」と「製織方法」の違いによる証紙の区分
では、具体的に産地ごとの証紙を見ていきましょう。
以下、本場大島紬を生産している3つの地域を並べて比較してみます。
(A)「鹿児島県鹿児島市」で作られた本場大島紬
(上)「手織り」の場合
・台紙が水色
・「旗印(はたじるし)」の証紙が貼られている
・経済産業省「伝統マーク」が貼られている
(下)「機械織り」の場合
・台紙がピンク色
・「旗印(はたじるし)」の証紙が貼られている
・経済産業省「伝統マーク」はなく、代わりに丸い金色シールが貼られている
(B)「鹿児島県奄美大島」で作られた本場大島紬
(上)「手織り」の場合
・「地球印(ちきゅうじるし)」の証紙が貼られている
・経済産業省「伝統マーク」が貼られている
(下)「機械織り」の場合
・手織りとは異なる「地球印(ちきゅうじるし)」の証紙が貼られている
・経済産業省「伝統マーク」は無し
(C)「宮崎県都城市」で作られた本場大島紬
・「鶴印(つるじるし)」の証紙が貼られている
・経済産業省「伝統マーク」が貼られている
※(A)鹿児島市産、(B)奄美大島産に比べると生産量はかなり少ないです※
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本場大島紬の見分け方(1)、証紙の読み解き方が少しご理解頂けましたでしょうか?
本場大島紬の見分け方(2)では、「絣の区分と見方」をまとめます。
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