こんにちは、着楽舎です。
5月の着物勉強会「きもの塾」は『春夏きものコーディネート術』をテーマに開催しました。
「単衣?薄物?紗?絽?羅?どう使い分け/組み合わせれば良いの・・・?」
「どの素材がいつ時期まで着られるの?」
みなさんからよく頂くご質問内容を元に、春夏向けのコーディネートを解説しました。
■春夏向けの素材を知る
まず基本的なことですが「春夏に向いた素材」を知ることからスタートしました。
着物の見本として用いたのは、柔らかものの小紋、塩沢紬、京お召。
暑くなる季節だからこそ、薄グレーや薄ピンクなど、涼やか/爽やかな「地色」や、
流水柄、トンボ柄、蛍ぼかしなど涼やかさを伝える「デザイン」、
お召、塩沢、楊柳など強撚糸を用いたシャリ感がある「素材」が適していることをご説明しました。
対極的なサンプルとして、秋向けに適した小紋(上の写真では茶色のもの)を引き合いに出して、
見た目の印象がどのように違うかを参加者みなで確かめました。
帯の見本として用意したのは、
紗袋帯、本筑絽献上帯、植物布系の帯(シナ布、からむし)、羅の名古屋帯。
紗(しゃ)、絽(ろ)、羅(ら)の適用時期を簡単にご説明。
とくに盛夏は透け感があり、涼やかさを演出できることが重要である点をご説明しました。
■コーディネートの基本 「冷たい色、温かい色の区分」と「共濃色、共薄色」
一通り素材について学んだあとは、コーディネートの基本について。
大事な基本ポイントとしてお伝えしたのは、色の温度と濃度のバランスです。
▼冷たい色、温かい色の区分
色には「冷たい色」と「温かい色」があること。同じ青でも、青みがかった青(冷たい青)と、赤みがかった青(温かい青)があるように
どの色味にも「温度」があります。
この「冷たい色か、温かい色か」を見極めて、
帯と着物の色温度を合わせることがまず基本のコーディネート術です。
今回の勉強会では、帯揚げを帯に見立てて、着物地と温度を合わせる実験をしました。
▼共濃色、共薄色
コーディネート術の基本その2は、同系色の濃淡で決めること。まず先述した「色温度」を判断した上で、着物の地色の延長線上にある濃色または薄色で合わせると
大変上品で東京らしい清楚なコーディネートになります。
逆に帯の地色、または図案に入っている色から1色をベースに、着物を選ぶ方法もあります。
ポイントは「同じ色温度」の延長線上にある色で合わせること。
特に春夏の暑い季節には、共色でまとめ上げるコーディネートは涼やかさがありおすすめです。
(対照色での組み合わせももちろん素敵ですが、発展形のコーディネートですので今回は割愛しました)
あっという間の2時間、もう単衣のシーズンに入っていますから、
今回の内容を参考に、参加者の皆さんもどんどん涼やかコーディネートを楽しんで頂ければと思います。
■6月の着物勉強会「きもの塾」
テーマ : 着物と帯の格合わせとTPO概 要 :
来月は『着物と帯の格合わせとTPO』について学びます。
同じコーディネート術ですが、次回は悩み多き「格」のお話しです。
「紬に合わせて良い帯は?」
「披露宴やパーティに適した着物と帯は?」
「江戸小紋は訪問着と同等の格だと聞いたけれど、どんな帯を合わせたら良いの?」
など、良く質問を頂く内容をベースにお話しする予定です。
当日ご質問タイムもしっかり取りますので、疑問・質問もどんどんお寄せ下さい。
開催日時 :
2015年6月17日(水)13:15~15:30 自由が丘会場(読書空間みかも) 参加費:1000円
2015年6月21日(日)13:15~15:30 奥沢会場(奥沢区民センター) 参加費:500円
定員 : 各回 10名程度 ※予約優先
申込み : 申込みフォーム または お電話 にて承っております
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