こんにちは、着楽舎です。
6月の着物勉強会「きもの塾」は『着物と帯の格合わせとTPO』について学びました。
着物のコーディネートを考える際に気になる「帯と着物の格合わせ」。
お出かけ先や会う方との関係、立場に合わせた「TPO」。
着物愛好家の皆さまなら、かならず一度は悩むテーマについて、実物を多数みながら勉強しました。
■格の基本は「図案」と「素材」
お持ちの着物/帯の「格」を把握するためにどのような視点で判断すれば良いか。
まずはそのようなテーマから勉強しました。
ずばり、まずは「図案」をよく見ること。
・正倉院文様/有識文様/吉祥文様/割り付け文様/名物裂文様/伊勢型(江戸小紋)
などの古典的な文様は格が高い図案です。
・洋花/動物/ストライプ/水玉/ぼかし/絞り/その他創作デザイン
などの図案は格が低い図案です。
どちらが良い悪い/高い安いという話ではなく、その着物/帯の格が高いのか低いのかを知ること。
これが格合わせの第一歩です。
次に、見てほしいのが用いられている「素材」。
・綸子や箔地などの光沢感がある素材/金糸・銀糸・箔などを用いた装飾
という条件に当てはまる場合には、格が高い場合が多いです。
・逆に、紬や縮緬、縮、塩瀬、植物布などマットな質感をもつ素材は
格が低い場合が多くなります。
素材についても図案同様、良し悪しの話ではなく、
あくまでその着物/帯の格を知るための判断基準となります。
これら2つの視点「図案の格」と「素材の種類」を総合的にみて判断できるようになると
「格合わせ」が大変楽に、そして的確になります。
■一般的なTPO対応表+自分なりの判断基準(「図案」×「素材」)
格合わせの基本やTPO対応表については
着物関係の雑誌やウェブサイトでたくさんまとまったものが沢山ありますので
大まかな分類は皆さま個々にご覧になれると思います。
ただし、それらの情報にプラスしてほしいのが先述した2つの視点=「図案」×「素材」。
・たとえば、ミスの略式礼装となる「振袖」に辻が花柄が描かれている場合。
辻が花は創作デザイン(想像上の花)であり、同じ振袖でも格が低い図案となります。
総鹿の子絞りの振袖も同様に、(価格や商品価値に関わらず)格は低くなります。
このような振袖を目上の方が同席する正式な場に着用すると、失礼に当る場合があります。
・たとえば、略式礼装となる「色無地」が光沢感のない縮緬地で作られている場合。
紋が入っていなければ、一つ格を落として外出着としても着用できます。
逆に綸子など光沢感ある素材の場合/地紋に古典柄が織り出されている場合には、
外出着としては格が高すぎて不向きになります。
一般的なTPO対応表では、素材や図案まで細かく分類することが不可能なため
たいへん大括りに分類されていることが多い。
だからこそ、
『 一般的なTPO対応表 + 自分なりの判断基準(「図案」×「素材」) 』
で着物/帯の格を総合的に判断する経験を養うこと。その重要さをご説明しました。
■たくさんの素材と図案を見て感覚を磨く
座学の最後には、たくさんの反物や生地ハギレを見て、触って、感じる時間となりました。
みなさん触ったりじっくり観察したりしながら
素材の質感、図案の種類、金彩加工、刺繍加工などの技法について体感いただけた様子。
今回は初参加の方も加わり総勢14名、あっという間の2時間となりました。
ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。
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7月の着物勉強会「きもの塾」では
『自分に似合う着物の色とコーディネート』をテーマに学びます。
着物の顔映りは「衿元」の色味で決まります。
寒色・暖色、淡色・濃色など、似合う色のカテゴリーを知るのが第一章、
第二章では各自がお持ちの着物を似合う色に近づけるためのコーディネート術について学びます。
現在ご予約受付中ですので、ぜひご参加ください。
▼7月の着物勉強会「きもの塾」 開催概要
■勉強テーマ自分に似合う着物の色とコーディネート
■開催日 ※2回とも内容同じ
7月15日(水) 13時15分~15時30分
7月20日(月・祝) 13時15分~15時30分
■会場
奥沢区民センター内 和室
http://blog.kirakusha.org/p/blog-page_1.html#access2
■参加費
500円
■定員
15名 ※予約優先
■お申込み/お問い合わせ
お問い合わせフォームまたはお電話にて受け付けております
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