2016年4月1日

着物における「正倉院文様」の表現と魅力を学ぶ~第56回 着物勉強会「きもの塾」レポート~




2016年3月の着物勉強会「きもの塾」は『正倉院文様の魅力』をテーマに開催しました。

呉服のデザイン全体のなかでも約1/3ほどを占める「正倉院文様」について
その由来や共通項、TPOや取り合わせについて解説しました。

シルクロードの終着地と言われる正倉院の宝物からテキスタイル用に文様化された、
どこかオリエンタルな匂いと遊び心のある「正倉院文様」の世界を、楽しく学ぶ機会となりました。





まずは奈良の東大寺正倉院に収められていた代表的な宝物についてご紹介。

それらの表面に施されたデザインや裂の図案と、
実際にテキスタイルデザインとして文様化された反物やハギレを見比べてみます。

模写に近いものから、かなりデザイン化されたものまで
一言に「正倉院文様」と言っても幅の広い表現方法があることを学びました。





続いては、正倉院文様を用いて作られた作品をご覧いただきます。
今回は西陣帯を教材として多数用いました。

カジュアルなデザインからフォーマル用途のものまで
実際に目の前でご覧いただきながら、一つずつ着用シーンなど解説して理解を深めていきます。





正倉院文様の帯には「螺鈿(らでん)」がよく用いられる点も一つの特徴で
どのように帯地に織り込まれているのか、ルーペで観察していただいたりもしました。





もともと外国から渡ってきたデザインが多くを占める正倉院文様は
カジュアルの匂いがするオリエンタルなデザインで、
素材・金銀糸使い・染織方法などによって、格式や用途も幅広い点が一つの特徴です。

教材として用いた帯地を、当日お着物で来られた参加者様に当ててみて、
紬に合う正倉院文様の表現、やわらかものに合うデザインなども視覚的に体感いただきました。





着物をお召しになる方でしたらかなりの確率で持っている「正倉院文様」について
少しずつご理解を深めていただければ幸いです。

■4月の着物勉強会「きもの塾」について


・テーマ:
『袋帯の楽しみ方(種類とTPO)』
洒落袋帯、京袋帯、袋帯、本袋帯などの「袋帯の種類」と、それぞれの「TPO(コーディネート)」を勉強いただきながら
“より気軽に”そして“より素敵に”袋帯を楽しめるコツを解説します。

・開催日
2016年4月 6日(水)13時30分~15時30分
2016年4月 8日(金)13時30分~15時30分
2016年4月 9日(土)13時30分~15時30分
2016年4月10日(日)13時30分~15時30分

・開催場所
奥沢区民センター和室
http://blog.kirakusha.org/p/blog-page_1.html#access2

・参加費
1500円/人  ※茶菓付

・定員
10名  ※予約制(先着順)

・お申込方法
「講座申込みフォーム」よりお申込ください。
http://blog.kirakusha.org/p/blog-page_943.html



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