2014年7月16日

紗・絽・羅~夏着物の魅力~(第39回 着物勉強会「きもの塾」開催レポート)

7月の着物勉強会「きもの塾」の様子

七・八月だけ楽しめる、という贅沢


薄物と夏帯、盛夏(7・8月)に限定して着用する、
いわば「着物の通」が楽しむとても贅沢なお召し物と言えます。

どうしても暑い時期に着用するため
見た目に涼しげな雰囲気が作れるよう、デザインや構造に工夫がなされているのも
大きな特徴といえます。


今回の着物勉強会「きもの塾」では、
<夏帯~絽・羅・紗の違い~>をテーマに、実物を多数見ながら勉強会を開催しました。


絽・羅・紗の違い


夏帯には大きく分けて「絽(ろ)」「羅(ら)」「紗(しゃ)」の3種類があります。
この3種を起点に様々分岐していくわけですが、
今回は基本となる3種類についてじっくりと勉強をしました。




絽、羅、紗それぞれの帯地を見比べて
  • 「紗(しゃ)」:横(※または縦)に筋が入っていて、その筋が他の部分と比べて薄い
  • 「絽(ろ)」:格子状に隙間の空いた織であることと、経糸が撚られている
  • 「羅(ら)」:絽に似ているものの、隙間がひし形になっている
という違いを確認しました。


着用時期については
  • 「紗(しゃ)」:7月(6月後半~9月も可)
  • 「絽(ろ)」「羅(ら)」:8月
と大まかな分類をご説明しました。


製法については
  • いずれも「搦み織(からみおり)」または「捩り織(もじりおり)」と呼ばれる織物
で、経糸を撚りながら緯糸を織り込むことで、目の粗い織物ができることをご説明しました。

それぞれ織り方の違い、織機の違いも説明しましたが
やはり織機の実物または実演を見ないと、織の方法については理解が難しい様子でした。




反物を見て触れて、感じる時間


織り目で特徴を出したもの、紗の帯地にデザインを手描きしたもの。

きもの塾の面白さは、本物の反物に触れて学べる事。
勉強会でインプットした情報を、実物に触れることで消化していく時間です。




初対面のメンバーも関係なく、デザインや織りについて感動し合ったり、
ルーペを貸し借りしたりして、反物を囲みながら和気あいあいと時間が過ぎてゆきました。



勉強会で聞いた話が、一度に全部理解できるわけではないと思います。

ですが、どんな職人さんが、どのような苦労をかけて、目の前にある作品に仕上がったのか、
この反物にどのようなストーリーがあるのか。

そんな事を具体的に想像し、価値を感じられる事に意味があると考えています。




着物勉強会「きもの塾」、8月も第三水曜日に定例開催しますので
ご興味ある方はぜひご参加くださいませ!



●8月のきもの塾テーマについて

  • テーマ: 正倉院文様と名物裂
  • 開催日: 2014年8月20日(水)13:15~15:15
  • 参加費: 一般/1000円 みかも会員/500円
  • 場所: 読書空間みかも(世田谷区奥沢2-33-2)
  • 参加方法: 申込みフォーム・メール・電話にて受け付けています


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