七・八月だけ楽しめる、という贅沢
薄物と夏帯、盛夏(7・8月)に限定して着用する、
いわば「着物の通」が楽しむとても贅沢なお召し物と言えます。
どうしても暑い時期に着用するため
見た目に涼しげな雰囲気が作れるよう、デザインや構造に工夫がなされているのも
大きな特徴といえます。
今回の着物勉強会「きもの塾」では、
<夏帯~絽・羅・紗の違い~>をテーマに、実物を多数見ながら勉強会を開催しました。
絽・羅・紗の違い
夏帯には大きく分けて「絽(ろ)」「羅(ら)」「紗(しゃ)」の3種類があります。
この3種を起点に様々分岐していくわけですが、
今回は基本となる3種類についてじっくりと勉強をしました。
絽、羅、紗それぞれの帯地を見比べて
- 「紗(しゃ)」:横(※または縦)に筋が入っていて、その筋が他の部分と比べて薄い
- 「絽(ろ)」:格子状に隙間の空いた織であることと、経糸が撚られている
- 「羅(ら)」:絽に似ているものの、隙間がひし形になっている
着用時期については
- 「紗(しゃ)」:7月(6月後半~9月も可)
- 「絽(ろ)」「羅(ら)」:8月
製法については
- いずれも「搦み織(からみおり)」または「捩り織(もじりおり)」と呼ばれる織物
それぞれ織り方の違い、織機の違いも説明しましたが
やはり織機の実物または実演を見ないと、織の方法については理解が難しい様子でした。
反物を見て触れて、感じる時間
織り目で特徴を出したもの、紗の帯地にデザインを手描きしたもの。
きもの塾の面白さは、本物の反物に触れて学べる事。
勉強会でインプットした情報を、実物に触れることで消化していく時間です。
初対面のメンバーも関係なく、デザインや織りについて感動し合ったり、
ルーペを貸し借りしたりして、反物を囲みながら和気あいあいと時間が過ぎてゆきました。
勉強会で聞いた話が、一度に全部理解できるわけではないと思います。
ですが、どんな職人さんが、どのような苦労をかけて、目の前にある作品に仕上がったのか、
この反物にどのようなストーリーがあるのか。
そんな事を具体的に想像し、価値を感じられる事に意味があると考えています。
着物勉強会「きもの塾」、8月も第三水曜日に定例開催しますので
ご興味ある方はぜひご参加くださいませ!
●8月のきもの塾テーマについて
- テーマ: 正倉院文様と名物裂
- 開催日: 2014年8月20日(水)13:15~15:15
- 参加費: 一般/1000円 みかも会員/500円
- 場所: 読書空間みかも(世田谷区奥沢2-33-2)
- 参加方法: 申込みフォーム・メール・電話にて受け付けています
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